
誰が勇者を殺したか 勇者の章【電子特別版】 (角川スニーカー文庫)
駄犬 and toi8
KADOKAWA / 2025-05-30
この本について
最近、人の期待を背負うのがしんどいとか、責任ある立場なのに一歩踏み出せないとか、そういうモヤモヤを抱えている人と話すことが多いんですが、正直わたし自身もずっと同じことでつまずいています。自分が決めていいのか、任せたほうが楽なんじゃないか、もし失敗したらどうしよう…そんな気持ちが頭から離れないまま仕事をしている日もあります。 『誰が勇者を殺したか 勇者の章』が刺さるのは、まさにこういう「弱さのリアル」をきちんと扱っているところだと思います。強さよりも、踏み出すときの震えや、責任の重さを前にした迷いが丁寧に描かれていて、読んでいると「弱さがあること自体は悪じゃないんだな」と少し呼吸が楽になるんです。仲間を率いることへの恐れ、役割を果たすために“偉そう”に振る舞わざるを得ない窮屈さ、強い仲間に囲まれて自分だけ取り残されていく感覚など、どれも現実の人間関係の延長にあるように感じました。 特に心に残ったのは、努力が報われるかどうかではなく、報いがなくても確かに「残るもの」があるという視点です。結果を出せなかった日のむなしさを、そのまま抱えたまま生きていいと言われているようで、多分これを必要としている人は少なくないはずです。勇者という存在を、自己犠牲ではなく“美しさ”として捉える思想も、誰かの期待に押しつぶされそうなときの支えになります。 責任や期待に疲れてしまった人、自分の弱さと折り合いをつけられずにいる人には、静かに効いてくる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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