
去年はいい年になるだろう
山本弘
PHP研究所 / 2010-04-01
この本について
仕事でも日常でも、「人間ってどこまで信用していいんだろう」とふと立ち止まることがあります。相手の善意を期待して動いたのに、うまくいかない。仕組みや組織をつくるときも、最後は“人がちゃんとしてくれますように”という願いに寄りかかってしまう。頭では危ういと分かってるのに、他の方法が見えない。そんなモヤモヤに覚えがある人は多いと思います。 『去年はいい年になるだろう』は、一見するとSFなのに、こういう「人間への過信」みたいな問題に妙に刺さる場面が多いんですよね。読者が保存している「対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェース」や「スカイラブ」みたいな固有名詞は、単なるネタというより、“人間中心の考え方のズレ”を浮き彫りにする仕掛けとして効いてきます。そして何より、「人間の善意や賢明さに期待するシステムは必ず破綻する」という一文に、現実の私たちが抱える不安がそのまま重なってくるんです。 この本の効き方はすごく現実的で、読んだあとにすぐ人生が変わるようなタイプではありません。でも、仕事の仕組みづくりで「ここ、本当に人に頼って大丈夫か?」と一拍置いて考えられるようになったり、人との距離のとり方を少しだけ丁寧にしようとしたり、そういう静かな変化がじわじわ残ります。自分の“期待”がどこから来ているのかを見直すきっかけにもなります。 人間を嫌いになりたいわけじゃないけれど、信じるだけでも苦しい──そんな人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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