
裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書)
長嶺 超輝
幻冬舎 / 2007-03
この本について
ニュースを見ていて、「この刑って本当に妥当なんだろうか」とか、「裁判官ってどういう視点で人の人生を判断してるんだろう」と、妙な置き場所のないモヤモヤが残ることがあります。正解がないのは分かってるのに、どこか割り切れない。僕自身もずっとそこが気になっていました。 『裁判官の爆笑お言葉集』は、タイトルの軽さとは裏腹に、現場の裁判官が人間としてどんなふうに事件や被告人、遺族と向き合っているのかが、そのまま言葉として並んでいます。「人面獣心」のような決まり文句の裏にある価値観や、無期懲役の運用と“改悛”という判断の難しさ、さらには虐待事件の被害者に向けた祈りのような言葉まで、裁判の硬いイメージとは違う体温が伝わってきます。感情を抑えつつ、それでも人間として感じたことがにじむ瞬間を見せられると、法律や量刑を「制度」としてではなく、「人が人を裁くという営み」として捉え直すきっかけになります。 読んでいると、司法の仕組みへの理解が深まるのはもちろんですが、自分の“正しさ”の基準が揺さぶられる感覚があります。被告人への厳しい言葉もあれば、行政の不備を示唆する場面もあり、裁判官がただ上から裁いているわけではないことがよく分かります。自分の思い込みを一度外し、複雑な出来事をどう受け止めるかを考え直す訓練に近い本です。 制度の裏側の温度を知りたい人、社会のニュースを見てモヤモヤが残りがちな人には、静かに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの96%が集中しています。
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