
死体は語る (文春文庫)
上野 正彦
文藝春秋 / 2001-10-10
累計読者数3
平均ハイライト数 5件/人
推定読了時間 約2時間48分
star総合評価 55/100
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この本について
日常で「人の言葉や態度をどう受け取ればいいのか」「自分の見ている状況は本当に正しいのか」と迷うことがよくあります。相手の表情ひとつで過剰に不安になったり、逆に大事なサインを見落としたり。その揺れが続くと、判断ってどんどん曇っていくんですよね。 『死体は語る』を読むと、その曇りが少しずつ晴れていきます。解剖の話だからグロテスクというより、事実をどう積み上げて“本当の姿”に近づいていくかが静かに描かれているんです。たとえば死後硬直のタイミングから亡くなった状況を推測していく場面や、水中と土中で腐敗の進み方がまったく違うという話は、ものごとを観察するときの視点が変わります。見た目の印象や思い込みより、「条件がこうなら結果はこうなる」という地に足の着いた考え方が手に入る感覚があります。 個人的に心に残ったのは、医師の態度ひとつで患者が不安になり病状が悪化してしまう“医原病”の話でした。これは医療の話だけじゃなく、日常のコミュニケーションにもそのまま当てはまります。自分の何気ない態度が相手の受け取り方を変えてしまう。逆に、自分が不安になる場面では「相手の態度だけでは判断できない」と一呼吸置けるようになる。そんな小さなズレを自覚できるようになりました。 事実を淡々と見つめたい人、思い込みからちょっと距離を置きたい人に刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
偽装殺人、他殺を装った自殺、猟奇的殺人と見誤る奇妙な死体……。どんなに誤魔化そうとしても、もの言わぬ死体は、背後に潜む人間の憎しみや苦悩を雄弁に語りだす。法医学は死体と語り合い、死をとおして人間の生き方を考える学問である。浅沼稲次郎刺殺事件、日航機羽田沖墜落事故、三河島駅列車事故等の現場に立会い、変死体を扱って三十余年の元監察医が綴る、ミステリアスな事件の数々とそれにまつわる人間ドラマ。映像化もされた法医学入門の大ベストセラー。
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