
やまない雨はない妻の死、うつ病、それから… (文春文庫)
倉嶋 厚
文藝春秋 / 2004-02-10
累計読者数3
平均ハイライト数 1件/人
推定読了時間 約2時間4分
star総合評価 35/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 63%
この本について
人間関係で不用意な一言を言ってしまったり、昔の自分の未熟さを思い出してふと落ち込んだり……そんな瞬間って、大人になっても意外と減らない気がします。周りに合わせようとして本音を押し込めたり、自分でも気づかないうちに心がすり減っていたりして、「もう少しうまくやれたらいいのに」とぼんやり思うこと、僕もよくあります。 倉嶋厚さんの『やまない雨はない』は、そういうモヤモヤの延長線上にある痛みや、言葉にしづらい疲れに静かに寄り添ってくれる本でした。若い頃の不器用さや、知らず知らずのうちに人を傷つけてしまった記憶を、作者自身が正面から語ってくれるので、自分の過去を否定しないで受け止めるための視点がひとつ増える感覚があります。また、世代として「価値観を抑圧してきた」という記述は、無理に強くあろうとして苦しくなるあの感じに名前をつけてもらったようで、読んでいて肩の力が少し抜けました。 この本の良いところは、悲しみや後悔のエピソードをただ重く語るのではなく、そこを通ってきた人だからこそ言える等身大の言葉が多いところです。過去の選択をやり直すことはできなくても、どう折り合いをつけながら次の一歩を踏むか。そのヒントが、派手ではないけれど日常に溶ける形で置いてあります。 過去の自分に小さな痛みを抱えている人に刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
「小春日和のような穏やかな暮らしを一変させた妻の入院、そしてあまりに唐突な末期ガン宣告。それは私にとって、すさまじい木枯らしの日々の始まりでした」。老年期のとば口でたったひとりの家族を失ない、やがて深い孤独と後悔から体調を崩し、しだいにうつ状態へと落ち込む。元NHKのお天気キャスターとして人気を博した著者が、伴侶の死、自殺未遂、精神科入院を経て回復するまでの痛切な日々を率直に語り、反響を呼んだベストセラー。
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