
「当事者」の時代
佐々木俊尚
光文社 / 2012-03
この本について
社会の空気を読もうとしているのに、結局どこにも腑に落ちないまま日々のニュースを眺めているだけ…そんな感覚、ありませんか。誰が何を怒っていて、なぜ炎上が起こるのか。自分の意見を言おうとすると、どこかで「自分は当事者じゃないし」と足が止まるあの感じです。僕もずっとこのモヤモヤと付き合ってきました。 『「当事者」の時代』は、その曖昧な息苦しさの正体を、歴史と社会構造をたどりながら説明してくれます。例えば、日本のコミュニケーションが「言外の空気」に依存してきたこと。SNSの時代になっても、その癖が新しい共同体のなかで再生産され、かえって衝突を生んでいるという視点は、ネットの空気がなぜ荒れるのかを説明してくれました。また、「マイノリティ憑依」という現象の整理も、自分がどんなスタンスで社会問題に向き合うべきかを一歩引いて考えるきっかけになります。 そして、この本が特徴的なのは、単に「昔は良かった/悪かった」で語らず、右肩上がりが終わった後の社会の変質を淡々と追っていくところです。富が増え続ける前提が崩れたことで、今のような対立が起きやすい土壌ができたこと。ここを理解すると、ニュースや議論を見る目が少し落ち着くというか、距離の取り方が上手くなる感じがあります。 「ニュースを見るたびに疲れるけど、距離を置くだけだと何もわからないまま」という人に刺さる本です。社会とどう関わるか悩んでいるなら、一度立ち止まるための手がかりになると思います。
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ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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