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杜甫 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 (角川ソフィア文庫)

杜甫 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 (角川ソフィア文庫)

黒川 洋一

KADOKAWA / 2005-03-25

累計読者数3
平均ハイライト数 12.7件/人
推定読了時間 約4時間14分
star総合評価 62/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 82%

この本について

最近、歴史や古典に興味はあるのに、「人物の背景まで理解しきれないまま読み流してしまう…」という相談をよくもらいます。僕自身も、詩そのものは好きなのに、詩人がどんな時代を生きて、何を背負って書いたのかが見えないと腹落ちしないタイプです。杜甫の詩もまさにそうで、断片的な知識だけでは距離が縮まらないまま長く放置していました。 この本がよかったのは、詩そのものの解説というより、「杜甫はどんな人生を歩み、どんな状況で詩を書いたのか」を時系列で追えるところです。戦乱で幽閉された時期や、友人に助けられて浣花草堂で家族と暮らした穏やかな時間、長い放浪の末に舟でさまよい続けた晩年まで、詩の裏で起きていた具体的な場面がしっかり描かれています。抜粋を見ても、読者が惹かれているのは史実の重さや、李白との出会いのような「詩が生まれる瞬間の背景」にあるように感じます。 読んでいて、杜甫が特別な天才というより、迷い続けながら自分の表現を探した普通の人間として立ち上がってくるのが心に残りました。厳しい律詩の形式のなかに社会の現実や自分の感情を押し込もうと格闘する姿は、形に縛られつつも、そこに自分の言葉を流し込もうとする現代の僕らの仕事にも少し似ています。 古典が遠く感じる人よりも、「その人の背負った時間を知らないと作品が入ってこないタイプ」の人に静かに刺さる本だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

若いときから各地を放浪し、現実の社会と人間を見つめつづけた杜甫の詩は、古くから日本に紹介され、さまざまな影響を与えてきた。努力の人といわれる「詩聖・杜甫」の詩の世界は情熱と繊細さにあふれている。
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