
新古今和歌集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)
小林 大輔
KADOKAWA / 2007-10-25
この本について
最近、昔の物語や古典に触れるときに、「結局これって今の自分にどう関係あるんだろう」と立ち止まることがあります。歴史の知識として読むだけだと、どこか自分の生活と切れてしまう感じがあるんですよね。でも、感情のゆれとか、人との距離感の不安って、意外と時代が変わっても同じなんだなと気づかされる瞬間があります。 『新古今和歌集 ビギナーズ・クラシックス』は、まさにその「つながり方」を丁寧に示してくれる本でした。通い婚で相手を待つ不安や、夜の時間を「宵・夜中・暁」と分けて感じ取っていた感覚など、当時の人たちの細かな心の温度が解説を通じて浮かび上がります。歌が現実をそのまま描くのではなく、物語や漢詩の世界を重ね合わせて作られていたことを知ると、「自分の感情をどう言葉に乗せるか」という視点が少し変わります。想像力を借りながら、自分の気持ちを遠回りに表す方法って、現代でもけっこう使えるんですよね。 読んでいて思ったのは、目に見えないものへの関心が強かった時代だからこそ、歌に出てくる香りや音の意味がとても繊細で、そこを理解すると一首の重さがまったく違って感じられるということ。たとえば、橘の香りに昔の恋人を重ねたり、風に裏返る葛の葉に恨みを滲ませたり、そんな符号を知るだけで、歌の世界が一気に立体的になります。 古典を「遠いもの」に感じてきた人ほど、意外と刺さる本だと思います。今の自分のモヤモヤを、少し別の角度から見てみたいときに、静かに効いてくる一冊でした。
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ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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