
新版 古今和歌集 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
高田 祐彦
累計読者数3
平均ハイライト数 6件/人
star総合評価 35/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 14%
この本について
最近、季節の移ろいに気づけないまま毎日が過ぎていく感じがして、ふと自分の感情まで薄くなったように思うことがあります。忙しいと景色を見ても何も引っかからないし、心が動く瞬間が減っていくのが少し怖いんですよね。そんなときに古今和歌集を読むと、千年以上前の人たちが同じように戸惑ったり、移ろう自然に自分の気持ちを重ねたりしていたことに妙な安心を覚えます。 読者が保存した抜粋を見ても、氷がほぐれ波が立つ一瞬や、春霞に置いていかれる雁、雪のように消えかける想いなど、弱さや揺れをそのまま受け止める視線が多く残されています。誰かを想っても届かないときの白露の歌や、山に入っても悩みから逃げられないと嘆く歌なんて、状況こそ違えど今の私たちと変わりません。この本の現代語訳は、その細やかな感覚を無理なく言葉として掬ってくれるので、歌の背景がすっと頭に入ってきますし、抽象的な美しさだけではなく生活の息づかいまで感じられます。 個人的には、咲く花に心を奪われて病に気づかない、といった一見たわいない場面が、忙しさに振り回されている自分の姿と重なって刺さりました。季節の変化を丁寧に感じ取ることで、自分の内側の揺れも少し扱いやすくなる。そんな読み方ができる一冊です。 自然の気配に敏感になりたい人、あるいは気持ちが揺れてばかりで自分でも持て余している人に、静かに寄り添ってくれると思います。
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