
「他人」の壁 (SB新書)
養老 孟司 and 名越 康文
SBクリエイティブ / 2017-07-05
この本について
人とちゃんと通じ合いたいのに、話せば話すほど食い違ったり、「思いやり」のつもりが過干渉になっていたり。相手のためと言いながら、どこか自分の不安を押しつけていたかもしれない……。そんなモヤモヤに心当たりがあるときって、相手の問題に見えて、実は自分の側の“過剰な意識”が暴れていただけだった、ということがよくあります。 『「他人」の壁』は、そのあたりをやさしく、でも容赦なくひっくり返してくれる本でした。とくに刺さるのは、「わかろうとしすぎるほど、わからなくなる」という指摘。頑張って相手の言葉を正確に理解しようとすると、むしろ現実から離れていく感じ、すごく分かるんですよね。それより「通じるのは奇跡で、せいぜい数割」という前提でいたほうが、人間関係がずっと楽になる。あと、思いやりだと思っていた不安の多くが、自分の承認欲求の変形だったと気づく瞬間も、ちょっと痛いけれど救われるところでもあります。 もうひとつ大事なのは、「わからないまま置いておく」という態度。これは投げやりではなくて、相手の世界を尊重する姿勢なんですよね。論争しても永遠に噛み合わないことに、無理に答え合わせをしなくていい。違和感は、怖がらずそっと手に乗せておけばいい。その余白が、結果的に自分の行動を変えていくんだと思います。 人の気持ちを過剰に読みすぎて疲れやすい人、つい「正しさ」で相手を包もうとしてしまう人には、とても静かに効いてきます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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