
今昔物語集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)
角川書店
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star総合評価 37/100
boltライト読書型
この本について
仕事でも人間関係でも、「なんであの人には響くのに、この人には響かないんだろう」とか、「結局、人とわかり合うことってどこまで可能なんだろう」とか、そんな小さな行き詰まりを感じることがあると思います。自分なりに頑張って説明しているつもりでも、相手にはまったく届いていなかったりして、ふとむなしくなるあの感じです。 『今昔物語集 ビギナーズ・クラシックス』を読んで面白かったのは、千年前の物語なのに、そんな現代のモヤモヤと地続きになっている場面がやたら出てくるところでした。たとえば、生まれつきの力の有無が「血筋」という説明で処理されていたり、仏教でも「対機説法」といって、人によって伝え方を変えるのが当たり前だったりする。今の私たちが悩んでいる「相手に合わせる難しさ」は、昔の人も当たり前のように抱えていたんだなと気づかされます。さらに、シャカの最期の場面の“俗っぽさ”も印象的で、どれだけ悟った人でも煩悩や情から完全に切り離されるわけではないという視点は、変に自分を矯正しすぎなくていいんだと肩の力が抜けました。 物語を読むというより、「人ってそんなに変わらないんだな」と静かに実感したい人に刺さる一冊だと思います。古典というと身構えがちですが、むしろ今の生活にそのまま持ち込める感覚が多くて、自分の中の“こうあるべき”が少しだけゆるむような体験でした。
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