
―新書で入門―ジャズの歴史(新潮新書)
相倉久人
新潮社 / 2007-02
この本について
ジャズって好きで聴いているつもりでも、「そもそも何からどう始まった音楽なのか?」となると途端にあいまいになること、ありませんか。音だけは追えるけど、その裏にある歴史や背景がつながらないまま、どこか自分の理解が浅い気がしてモヤモヤする。僕もずっとそのタイプでした。 この本は、ジャズ史を一気に“体系化してくれる”というより、音の裏側にある人生や社会の匂いを思い出させてくれる本でした。例えば、楽器の音を人の声や動物の鳴き声に近づけようとする発想がどこから来たのか。タイガー・ラグの咆哮のような音が、単なる技巧ではなく、生きてきた環境そのものの反映だったことがストンと腑に落ちます。また、奴隷制度の中で抑えつけられていた文化が、夜の森での集まりや祈りを通して形になっていった場面は、音楽を「歴史の結果」として聴く感覚をぐっと近づけてくれます。 さらに、ベニー・グッドマンからクール・ジャズ、ハード・バップまで、同じ“ジャズ”でも何を大事にしてきたかが時代でまるで違うことがわかる。パーカーを真似しなかったリー・コニッツの「むずかしすぎるんだ」という正直な一言も、ジャンルの枝分かれを人間味として理解できて、どこか安心します。 音の違いを言語化できないまま聴き続けている人、もう一段ジャズを自分の中で結び直したい人には特に刺さると思います。音楽の知識よりも、「背景を知ると音が変わる」感覚を求めている人に向いた一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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