
督促OL 修行日記
榎本 まみ
文藝春秋 / 2015-03-10
この本について
仕事で人と話すとき、つい謝りすぎたり、相手のペースに飲まれたりして「なんか毎回しんどいな…」と思うことってありませんか。丁寧にしているつもりが空回りして、結局相手も自分も疲れるだけ…みたいな日。私もずっとその沼にいました。 『督促OL 修行日記』は、いわゆる“コミュ力本”とは全然違って、作者が督促の現場で泥だらけになりながら覚えていった「人との距離の取り方」が、ものすごくリアルに描かれています。たとえば謝罪は連呼すると逆効果だから「謝る2:お礼1」で区切るとか、お願いを命令形ではなく質問に変えるだけで相手の思考が動き出すとか。どれも机上のテクニックじゃなくて、実戦の中でしか出てこない細かい“感覚”なんですよね。 読んでいて一番刺さったのは、相手の怒りや無茶ぶりにどう耐えるかではなく、「どう自分の足元を安定させるか」をずっと試行錯誤しているところ。怒鳴られても足を組んでいるオペレーターの方がトラブルを呼びやすい、という話は、仕事中に自分の姿勢がどれだけメンタルに直結しているかを思い知らされました。あと、相手を“信じたい”と願った結果うまくいかず、上司に叱られて落ち込む場面も、人の気持ちに寄り添う側ほど抱えやすい痛みだと思います。 人間関係で疲れやすい人、丁寧にしているつもりなのに余計ややこしくしてしまう人には、けっこう深く刺さる本だと思います。読んだあと、少しだけ呼吸がしやすくなるような一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
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