
新版 精神分析入門 下 (角川ソフィア文庫)
フロイト、安田 徳太郎、安田 一郎
KADOKAWA
この本について
最近、理由のよく分からないモヤモヤに振り回されている人、多いんじゃないでしょうか。目の前の選択に迷ったり、急に落ち込んだり、変な罪悪感だけが残ったり。自分でも説明しづらいのに、確かに心のどこかに重さだけはある、あの感じです。僕も同じで、「なんでこう反応してしまうんだろう」と思う場面がしょっちゅうあります。 『精神分析入門 下』を読むと、そのモヤモヤが“性欲”の話ではなく、自我と衝動の葛藤にあるという視点が出てきます。抑え込んだつもりの衝動が形を変えて残るとか、意識に上がりきらなかった興奮が無意識側に沈んでいくとか、そういうプロセスを丁寧に説明してくれるんですね。読んでいて、「ああ、だからあの反応は自分でもよく分からなかったのか」と、ゆっくり腑に落ちていきました。 特に、無意識と自我と超自我の力関係を理解すると、日常のつまずき方がちょっと見えてきます。必要以上に自分を責めてしまうときは超自我が強すぎるとか、妙に攻撃的になるときは抑圧の反動かもしれないとか。芸術家の昇華の話も、衝動そのものを否定するんじゃなくて、別の形に置き換える選択肢があるんだと気づかせてくれます。 自分の心の動きが「ただの気分」では片づかない気がしてきた人に向いている本だと思います。読んだからといって急に生き方が変わるわけではないけれど、自分の反応に少しだけ距離を置けるようになる、そのくらいの静かな効き目があります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの47%が集中しています。
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