
「感情」から書く脚本術
カール・イグレシアス and 島内哲朗
フィルムアート社 / 2016-04-25
この本について
物語を作ろうとするとき、「面白くしたいのに、どこをどう直せば読者の心が動くのか分からない」と立ち止まってしまうことがよくあります。自分では筋は通っているつもりでも、読み手からすれば“どこか普通”に見えてしまうあの感じ。私はいつもそこでつまづいていました。 『「感情」から書く脚本術』は、そういう行き詰まりに対して、抽象的な励ましではなく「読者がなにを感じたいのか」を手触りのあるレベルで示してくれます。目新しさと見覚えのバランスをどう作るか、テーマを前提ではなく問いとしてどう立ち上げるか、そして“自分が興奮しない題材は読者も興奮しない”という身も蓋もないけれど外せない現実。このあたりが、自分の企画メモを見直すときにかなり効きました。特に、コンセプトを固めたらそこから外れないという話は、途中で迷走しがちな自分にはよく刺さりました。 読者が保存した抜粋を見ていると、「心臓を掴む」「目が離せない」といった“感情の動きそのもの”に魅力を感じている人が多いように思います。この本は、まさにそこをどう再現するかを具体的に扱っているので、読み終えると「感情を揺らす」とは技術なんだと静かに腹落ちします。派手なノウハウよりも、読者がどんなときに心を奪われるかを地道に考えたい人に向いています。 物語の芯に何を置けばいいか迷っている人、そして「なんとなく弱い企画」から抜け出したい人には特に届く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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