
科挙 中国の試験地獄 (中公新書)
宮崎市定
累計読者数3
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star総合評価 39/100
start序盤集中型
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この本について
受験やキャリアの話になると、「努力すれば報われるって本当なのか」とか、「結局、生まれや環境で決まってしまう部分ってあるよな」というモヤモヤが顔を出します。自分も同じで、どうにも割り切れない気持ちを抱えたまま働いています。そんな時に読んで、視界がひらく感じがあったのが『科挙 中国の試験地獄』でした。 この本の面白さは、科挙が“努力の象徴”みたいに語られがちな一方で、実際にはもっと複雑で、生まれ・地域・家の資金力が勝敗に直結していた現実を淡々と描いているところです。試験の公平性を保つための異様な仕組みや、受験資格そのものが特権だった時代の空気を知ると、「試験とは何か」という問いの解像度が一段上がります。そして科挙が、単なる登用制度ではなく、貴族政治から官僚政治へ移るための“政治的な武器”だったという視点に触れると、いまの日本の受験や終身雇用の感覚がどこか似て見えてきます。 自分が特に刺さったのは、科挙が必ずしも人を自由にしたわけではなく、むしろ社会構造とがっちり結びついた結果、地域格差や家の文化資本をさらに固定化していったという説明です。努力の話だけでは割り切れない現実に、妙な安心感というか、肩の力が抜ける感じがありました。試験やキャリアに正面から向き合ってきた人なら、たぶんどこかで同じ感覚になると思います。 「努力と環境のあいだでもやもやしている人」に、静かに刺さる本です。
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