
熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録
井川意高
幻冬舎 / 2017-01-31
この本について
仕事の場で「もっとコミュニケーションを」「徹底的にがんばります」といった言葉が飛び交うけれど、結局なにが変わるんだろう…と感じることがよくあります。抽象論ばかりの会議のあとに、モヤモヤだけが残るあの感覚、けっこうしんどいですよね。僕自身、言葉だけが空中を漂って、結局だれも前に進めていない場面を何度も見てきました。 『熔ける』を読むと、そのモヤモヤが少し整理されます。著者の井川さんは、良し悪し含めて徹底して「抽象でごまかさない」人で、どのエピソードも具体的な行動レベルまで落とし込むことを避けません。会議で出た曖昧なフレーズをすぐに細かい数字や行動に変換させたり、現場の主任90人全員と1対1で話すために一か月を費やしたり、理由の裏側まで踏み込んで退職者の本音を探ったり。そういう泥くさいプロセスが、組織をどう変えていくのかが生々しく書かれています。 その一方で、彼自身がギャンブルで破滅に向かっていく過程も同じくらい具体的で、成功と失敗の境目がどれほど曖昧かもよくわかる。努力や厳しさだけでは人は守れず、思考の癖ひとつで道を踏み外すことだってある。だからこそ、仕事の判断においても自分の癖を丁寧に見つめ直す必要があるんだなと感じさせられました。 「部下や同僚との対話が形骸化している気がする」「数字や行動に落とし込めない話が苦手」という人には、とくに刺さる本だと思います。僕も読みながら、自分の曖昧さに何度もドキッとしました。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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