
グッド・バイ
太宰 治
オリオンブックス / 2013-12-09
この本について
人間関係に振り回されて、自分でも「なんでこんな面倒に巻き込まれてるんだろう」と思う時ってありますよね。情と打算がごっちゃになったり、相手の反応を気にしすぎて変な立ち回りになったり。頭ではわかっていても、現実ではきれいに整理できないまま疲れていくことが多いです。 太宰治の「グッド・バイ」は、まさにその“割り切れなさ”が丸ごと描かれています。抜粋のどれを見ても、田島の虚勢やみっともなさ、ズルさと優しさが同居していて、読んでいるこっちが「まあ、人間ってこうなるよな」と妙に落ち着くんですよね。無駄遣いに泣きそうになったり、どうでもいい見栄にしがみついたり、言い訳しつつも誰かを傷つけたくなくて余計にこじらせたり。綺麗事じゃない感情の動きが、そのまま置かれています。 この作品が効いてくるのは、まず「自分の情けなさを笑い飛ばせる余白」をくれるところ。太宰の筆が容赦なくて、登場人物がことごとくダサいので、読みながら自分の失敗や癖も少し軽く見えてきます。それから、「人はそんなに合理的に動けない」という前提を思い出させてくれるところ。だから、無理に正解を出そうとしなくても、関係を終わらせるにも続けるにも、もっと泥くさくていいんだと感じられます。最後に、「別れ」というテーマを過剰に美化せず、人間の欲と弱さごと描いてくれるところも、現実の気持ちに寄り添いやすいです。 人間の“だらしなさを抱えたまま関係を整理したい人”には、とても刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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