
海と毒薬(新潮文庫) 海と毒薬シリーズ
遠藤周作
新潮社 / 1960-07-19
累計読者数3
平均ハイライト数 1件/人
推定読了時間 約2時間6分
star総合評価 35/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 63%
この本について
仕事でも日常でも、「これって本当に自分の判断だったのか」「ただ周りの空気に流されていただけなんじゃないか」とモヤモヤすることがあります。誰かに責められる前に、自分の中の声がどこまで働いていたのかを振り返るのは、意外としんどい作業ですよね。 遠藤周作の『海と毒薬』を読むと、その感覚が急に具体的な場面として立ち上がってきます。冒頭の、炎天下の国道をトラックが走り抜ける描写は、作品全体の重さとは対照的で、むしろ日常の延長にあるような空気を持っています。だからこそ、後半で描かれる「良心より先に世間の罰を恐れる人間」の姿が、特別な誰かではなく、自分の延長線にいるものとして迫ってきます。極端な状況の話に見えて、実は普段の選択の中にも同じ構造があるのかもしれない、と静かに考えさせられます。 周りに合わせることが悪い、と単純に言いたいわけではなくて、「自分はどこで判断を止めてしまうのか」を見つめるきっかけになる本でした。人の弱さを正義論で切り捨てず、でも目をそらさずに向き合いたい人に刺さると思います。
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出版社による紹介
戦争末期の恐るべき出来事――九州の大学付属病院における米軍捕虜の生体解剖事件を小説化し、著者の念頭から絶えて離れることのない問い「日本人とはいかなる人間か」を追究する。解剖に参加した者は単なる異常者だったのか? いかなる精神的倫理的な真空がこのような残虐行為に駆りたてたのか? 神なき日本人の“罪の意識”の不在の無気味さを描く新潮社文学賞受賞の問題作。
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