
イエスの生涯(新潮文庫)
遠藤周作
新潮社 / 1982-05-27
累計読者数6
平均ハイライト数 17.2件/人
推定読了時間 約2時間31分
star総合評価 61/100
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この本について
最近、人と話していても「本音まで届いてない感じ」がすることがよくあります。相手の言葉は聞こえているのに、その奥にあるものまでは拾えない。自分も同じで、苦しいときほど誰にも触れられたくなくなる。でも、どこかで「わかってほしい」と思ってしまう。そんな矛盾に疲れた時期に読んだのが『イエスの生涯』でした。 この本の強さは、歴史的な人物としてのイエスではなく、人の苦しみにどれだけ寄り添おうとした“ひとりの人間”として描いているところです。群衆の影からそっと伸びた指先の震えを感じ取る場面や、誤解され孤独の中で立ち尽くす姿、誰にも顧みられない人にだけ本音を語るシーンを読んでいると、「わかってもらえない苦しさ」は昔も今も変わらないのだと妙に落ち着きます。特別な能力があるからではなく、ただ相手の哀しみを受け取ろうとしただけの人が確かにいた。その事実がこちらの態度もすこし変えてくれる気がします。 誰かの痛みにどう向き合えばいいのか迷っている人、あるいは自分の孤独をどう扱えばいいかわからない人にはとても静かに効きます。議論よりも、生活の匂いがする人間の弱さに触れたいときにちょうどいい一冊です。
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出版社による紹介
英雄的でもなく、美しくもなく、人々の誤解と嘲りのなかで死んでいったイエス。裏切られ、見棄てられ、犬の死よりもさらにみじめに斃れたイエス。彼はなぜ十字架の上で殺されなければならなかったのか?――幼くしてカトリックの洗礼を受け、神なき国の信徒として長年苦しんできた著者が、過去に書かれたあらゆる「イエス伝」をふまえて甦らせた、イエスの〈生〉の真実。
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