
花神(上)(新潮文庫)
司馬 遼太郎
新潮社 / 1976-09-01
累計読者数5
平均ハイライト数 4.4件/人
推定読了時間 約5時間11分
star総合評価 53/100
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この本について
日々仕事をしていると、「自分の判断がこれでいいのか」「もっと遠くまで見通せる目がほしい」と不安になることがあります。目の前の選択に追われていると、時間の流れそのものが縮んでしまうような感じもありますよね。そんなときに過去の人間を覗いてみると、意外と同じように迷い、焦り、矛盾を抱えていたんだなと気づかされます。 『花神』を読むとまず驚くのが、江戸から幕末へ向かう時代の、あの“病的なまでの危機意識”の濃さです。登場人物たちは、今の自分たちよりはるかに閉ざされた世界で、それでも「まずやることなのだ」と手を動かし、「見るものすべてが驚きだ」という田舎者の感受性を武器に、一歩ずつ進もうとしている。洪庵がコレラの惨状から医を志したくだりや、左内が密かに橋の下で施療を続けた場面に触れると、立派だからというより、ああ人間って矛盾を抱えながら動くしかないんだ、と妙に救われる感覚があります。 この本の効き目は、派手な名言ではなく、迷いながらも動く人の姿が淡々と描かれているところにあります。自分の判断に自信が持てないときでも、とりあえず手を動かすことでしか前に進めないこと。外の世界に出てみないと、驚きから生まれる跳躍は起こらないこと。そのどれもが遠い歴史の話なのに、妙に今の自分に近いんです。 歴史の中に、自分の迷いの“等身大”を見つけたい人に刺さる一冊だと思います。
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多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
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出版社による紹介
周防の村医から一転して討幕軍の総司令官となり、維新の渦中で非業の死をとげたわが国近代兵制の創始者大村益次郎の波瀾の生涯を描く長編。動乱への胎動をはじめた時世をよそに、緒方洪庵の適塾で蘭学の修養を積んでいた村田蔵六(のちの大村益次郎)は、時代の求めるままに蘭学の才能を買われ、宇和島藩から幕府、そして郷里の長州藩へととりたてられ、歴史の激流にのめりこんでゆく。
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