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深い河 新装版 (講談社文庫)

深い河 新装版 (講談社文庫)

遠藤周作

講談社 / 2021-05-14

累計読者数12
平均ハイライト数 18.7件/人
推定読了時間 約4時間34分
star総合評価 66/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 57%

この本について

ふだん、人との距離の取り方とか、善悪の境界みたいなものにモヤッとすることがあります。誰かを助けたつもりが余計なお世話に見えたり、逆に自分の弱さが誰かを支えたように感じたり。白黒では割り切れないところに、人間関係のしんどさも、あたたかさもあるんだろうなとよく思います。 『深い河』の抜粋をあらためて読むと、その割り切れなさに真正面から向き合っているのがわかります。善のなかに悪が、悪のなかに救いが潜むという感覚や、生活と人生のあいだに横たわる溝。失ってからようやく気づく関係の重さ。こういう部分が刺さった人は、おそらく「自分は何を求めて生きてきたのか」を、うまく言葉にできないまま抱えてきたのではと思います。遠藤周作はその曖昧さをごまかさず、でも悲観にも寄りかからず、人が生きる動機のかたちを静かに拾い上げていきます。 この小説が効くのは、救いという言葉に違和感があるのに、どこかで「それでも何かに触れたい」と思っているときです。宗教や善悪の話に見えて、実際には自分の過去の選択や、大事にしてきた人との関係をどう受け止めるか、という非常に個人的なテーマに向かわせられます。「白黒つかない前提で生きている人」に刺さる本だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

愛を求めて、人生の意味を求めてインドへと向かう人々。自らの生きてきた時間をふり仰ぎ、母なる河ガンジスのほとりにたたずむとき、大いなる水の流れは人間たちを次の世に運ぶように包みこむ。人と人のふれ合いの声を力強い沈黙で受けとめ河は流れる。純文書下ろし長篇待望の文庫化、毎日芸術賞受賞作。
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