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白の闇 (河出文庫)

白の闇 (河出文庫)

ジョゼ・サラマーゴ、雨沢泰

河出書房新社 / 2020-03-06

累計読者数6
平均ハイライト数 10件/人
推定読了時間 約4時間6分
star総合評価 61/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 74%

この本について

最近、人の悪意や無関心に触れるたびに、なんとなく気持ちがざらつくことがあります。自分も同じ側にいるんじゃないかと思う瞬間があって、ちょっと嫌になる。でも「どう振る舞えばよかったのか」と考えようとしても、正しさの軸がすぐ揺れる。そんなときに『白の闇』を読むと、物語を追うというより、人間そのものをじっと見つめ直すような時間になります。 登場人物たちは突然の失明によって、尊厳や正しさの基準がごっそり奪われます。そこで露呈するのは、半分の無関心と半分の悪意、そしてそれでも失いきれない、人間としてのぎりぎりの「ましな部分」です。たとえば、見えないことを理由に他人をのぞき見ることへの罪悪感、弱みを見せまいとする本能、死に直面してやっと憎しみがほどけていく感じ。こういう描写が妙に現実的で、自分の中にも同じものがあると認めざるを得なくなります。 同時に、この物語は「弱さにどう向き合うか」という視点もくれます。組織が壊れた世界で、それでも誰かを助ける行動だけは生まれること。必要とされるときに寄り添う犬に抱きつく場面が象徴的で、強さよりも“残っている感情をどう扱うか”のほうが生きていくのに重要なんだと気づかされます。自分の中の名もない何かを、ちょっとだけ信じてみようと思える本です。 人間のきれいごと抜きの部分と、そこでなお残るわずかな希望を見つめたい人に刺さると思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

突然の失明が巻き起こす未曾有の事態。「ミルク色の海」が感染し、善意と悪意の狭間で人間の価値が試される。ノーベル賞作家が「真に恐ろしい暴力的な状況」に挑み、世界を震撼させた傑作。
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