
ウクライナ戦争 (ちくま新書)
小泉悠
文藝春秋 / 20230920
この本について
国際ニュースを追っていると、「結局この戦争は何が理由で起きたのか」「報道のどこまでを信じていいのか」といった曖昧な不安がずっと残ったままになります。情報量は多いのに、自分の中で一本の線にならない感じです。僕も同じで、気づくと断片だけをつまんでは余計に混乱していました。 小泉悠さんの『ウクライナ戦争』は、そのモヤモヤを一気に解消するというより、まず「何が分かっていて、何が分からないのか」を正直に示してくれます。著者自身がバイアスを完全には排除できないと認めたうえで、日本という立場からどう見るべきかを淡々と描く姿勢が、逆に腰を据えて読める理由になっていました。ロシアがどんな論理で行動しているのか、米国はどこまで意図的に情報を流していたのか、そして戦争そのものの性質が今どう変わっているのか。ニュースでは流れない背景が線としてつながっていく感覚があります。 特に印象に残ったのは、戦場のテクノロジー以前に「国民」という存在がどう戦争を形づくるか、という視点でした。結局のところ国家と人々の関係が変わると、戦争の規模も質も変わってしまう。その構造を理解すると、ウクライナだけでなく台湾や日本の安全保障まで、自分ごととして考えざるを得なくなります。 「国際情勢の話を感情ではなく構造で理解したい人」にはしっくり来る一冊だと思います。僕自身、曖昧な不安が少し現実の形を持ったのは、この本に助けられた部分が大きいです。
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ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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