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くもをさがす

くもをさがす

西加奈子

河出書房新社 / 2023-04-18

累計読者数20
平均ハイライト数 7.2件/人
推定読了時間 約2時間56分
star総合評価 57/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 60%

この本について

最近、人との距離感とか、自分の弱さとのつき合い方で「これでいいのかな」と立ち止まることが多い人に、「くもをさがす」はけっこう静かに効いてきます。強くあろうとして空回ったり、誰かへの情が手放せなかったり、幸せを感じている瞬間ほど不安がよぎったり。そういう揺れをごまかさずに言葉にしてくれる本です。 読んでいて特に刺さるのは、まず「弱さを認めることで輪郭がシンプルになる」という感覚です。強がらなくても、怖いものは怖いし、情けない気持ちの奥にちゃんと自分がいる。その当たり前さを、著者が病気や移住の体験を通して、淡々と、でも確かに示してくれます。もう一つは、「身体を取り戻す」という視点。流行や他人の目に合わせるうちに、自分の好みや心地よさがどこかへ行ってしまう感じって、多くの人が覚えがあるはずで、その感覚を解きほぐす描写が妙に胸に残ります。さらに、日本的な“情”とカナダで感じた“愛”の違いについての考察は、人との関わり方をもう一度見直すきっかけになります。どちらが良い悪いではなく、自分がどう在りたいかを静かに問い返される感じです。 派手な変化を求めている人よりも、「今の自分の揺れにちゃんと名前をつけたい人」にこそ届く本だと思います。読後に、自分の輪郭がほんの少しはっきりするような一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

カナダでがんになった。 あなたに、これを読んでほしいと思った。 これは、たったひとりの「あなた」への物語ーー 祈りと決意に満ちた、西加奈子初のノンフィクション 『くもをさがす』は、2021年コロナ禍の最中、滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告された著者が、乳がん発覚から寛解までの約8 ヶ月間を克明に描いたノンフィクション作品。 カナダでの闘病中に抱いた病、治療への恐怖と絶望、家族や友人たちへの溢れる思いと、時折訪れる幸福と歓喜の瞬間――。 切なく、時に可笑しい、「あなた」に向けて綴られた、誰もが心を揺さぶられる傑作です。 ● 『くもをさがす』へ寄せられた声 思い通りにならないことと、幸せでいることは同時に成り立つと改めて教わったよう。 ――ジェーン・スーさん(コラムニスト) 読みながらずっと泣きそうで、でも一滴も泣かなかった。そこにはあまりにもまっすぐな精神と肉体と視線があって、私はその神々しさにただ圧倒され続けていた。 西さんの生きる世界に生きているだけで、彼女と出会う前から、私はずっと救われていたに違いない。 ――金原ひとみさん(作家) 剥き出しなのにつややかで、奪われているわけじゃなくて与えられているものを知らせてくれて、眩しかったです。関西弁のカナダ人たちも最高でした。 ――ヒコロヒーさん(お笑い芸人) 読み終わり、静かに本を閉じても心がわさわさと迷う。 がんの闘病記という枠にはとてもおさまらず、目指す先はまったく別にあることに気づかされた一冊。幸せいっぱいのときに、それを失う恐怖心が同時に存在するパラドックスに気づくと、上手くいったとしてもイマイチでも、自分なりに納得できる瞬間の積み重ねが人生なのだとあらためて知る。 ――高尾美穂さん(産婦人科医)

目次

わたしに会いたい あなたの中から VIO あらわ 掌 Crazy In Love ママと戦う チェンジ
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