
Slowdown 減速する素晴らしき世界
ダニー・ドーリング, 遠藤 真美, and 山口 周
この本について
最近、「このまま働き続けても上向く感じがしない」とか、「頑張っているのに世界全体が減速している気がして不安になる」と話す人が増えています。自分でもニュースを見るたびに、成長できないことへの焦りばかりが積もって、落ち着かない日がありました。 『Slowdown』が面白いのは、その不安そのものを一段横に置いて眺められるようになるところです。人口や技術の伸びが歴史的に見ても“もう過去の速度では進まない”という現実をデータで示しつつ、「じゃあ減速した世界で私たちはどう生きるのか」という視点にゆっくり誘導してくれます。たとえば、投資や経済成長への期待が過去の人口爆発に支えられていたことに気づくと、無理に以前と同じスピードを求めなくてもいいのかもしれないと思えてきます。また、「経済以外の何を成長させたいか」という問いに立ち返らされるのも、この本の効能でした。焦りの根っこが、自分の中の“構想力の細さ”だったと気づかされます。 読み終えたあと、変化が小さくなる時代にどう折り合いをつければいいか、少しだけ手触りを持って考えられるようになりました。成長神話に振り回されやすい人や、「停滞=悪」という思い込みが抜けずにしんどい人には静かに刺さる一冊だと思います。
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