
熔ける 再び そして会社も失った (幻冬舎単行本)
井川意高
幻冬舎 / 2022-06-27
この本について
人の目ばかり気にしてしまったり、年齢や肩書きで自分の価値が決まってしまうような気がして、なんとなく息苦しくなることがあります。忙しさに押されて家族のことを後回しにして、ふとした瞬間に「もっとできたはずなのに」と胸が痛むこともあります。自分でも正解がわからないまま、日々をこなしている人は多いと思います。 『熔ける 再び そして会社も失った』は、そんなモヤモヤに周り道しながらも真正面から向き合った人の記録です。著者は立場も名誉も失い、極端な環境に追い込まれたからこそ、年齢観や親との距離感、そして“個としてどう立つか”を徹底的に考えています。渋沢栄一の言葉に勇気づけられたり、父の最期に触れて後悔に立ち止まったり、獄中で哲学書を読みながら「他人の人生を生きる」状態から抜け出そうとしたり、その揺れ方がとても人間らしいんです。 読んでいて感じたのは、人生を立て直すとか、悟りの境地に到達するとか、そういう大げさな話ではないことです。むしろ、自分の弱さや煩悩をそのまま抱えたまま、「それでも次の一歩だけは自分で決める」ための視点がいくつも転がっている。肩書きにも世評にも頼らず、自分の足で歩き直したい人に静かに効いてくる本です。 特に刺さるのは、他人の目に縛られがちな人や、家族のことで小さな悔いを抱えている人だと思います。こういう痛みは誰かに説教されても癒えませんが、この本の語り口は同じ土の上に立っている人の距離感でした。自分の生き方をゆっくり見直したいときに、そっと横に置いておける一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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