ヨムナビ
終わった人 (講談社文庫)

終わった人 (講談社文庫)

内館牧子

講談社 / 2018-03-15

累計読者数12
平均ハイライト数 5.5件/人
推定読了時間 約5時間24分
star総合評価 53/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 60%

この本について

仕事にひと区切りついたあと、急に手持ちぶさたになったり、「自分って何でできてたんだっけ」と立ち止まる瞬間ってありますよね。自由になったはずなのに気持ちは軽くならず、昔の肩書や実績にひっぱられたり、逆にそれらを全部捨てなきゃいけない気がして落ち着かなくなる。そんなモヤモヤに心当たりがあるなら、『終わった人』はけっこう刺さると思います。 この物語の主人公・壮介は、まさにその「芯を失ったあとの空白」を真正面から味わう人です。彼が抜け殻になるのは、働く意味がなくなったからではなく、自分が何を誇りにして生きてきたのかが急に見えなくなるから。でも読み進めるうちに、誇りを全部手放す必要はないとか、思い出に負けて同じ土俵で相撲を取り続けなくてもいいとか、ちょっと呼吸がしやすくなる視点がいくつか出てきます。嫌いな人に合わせない、行きたくない場所に行かないという小さな選択が、自分の輪郭を取り戻す助けになるという描写も、年齢に関係なく実感がこもっています。 そして何より、「自分が変わればいい」という一文が軽く聞こえないのは、壮介が実際に日々の暮らしでその重さを味わっているから。自由を手にしたからこそ堕落しないように踏ん張る感じや、小さくても自分の責任で舵を取ってみたいという気持ちの芽生えは、読み手の背中をそっと押すと思います。 自分のキャリアや誇りの扱い方に迷っている人にこそ、ゆっくり効く一冊です。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt

内館牧子の他の作品

すべて見る arrow_right_alt
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

大手銀行の出世コースから子会社に出向、転籍させられそのまま定年を迎えた田代壮介。仕事一筋だった彼は途方に暮れた。生き甲斐を求め、居場所を探して、惑い、あがき続ける男に再生の時は訪れるのか?シニア世代の今日的問題であり、現役世代にとっても将来避けられない普遍的テーマを描いた、大反響ベストセラー「定年」小説。
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要