
ワインづくりの思想 銘醸地神話を超えて (中公新書)
麻井宇介
中央公論新社 / 200109
累計読者数4
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star総合評価 53/100
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この本について
ワインって、結局“何が違うのか”がよく分からないまま飲んでいること、ありませんか。産地なのか品種なのか、つくり手なのか。情報が多いほど逆に判断しづらくなって、なんとなく値段と雰囲気で選んでしまうあの感じ。僕自身ずっとその曖昧さがモヤモヤでした。 この本がおもしろいのは、ワインそのものの知識よりも、“何がワインをワインにしているのか”という視点を静かに整えてくれるところです。例えば、1976年のパリでの試飲会で“品種”が“産地”を超えて一人歩きを始めた瞬間や、シャンパーニュが畑の個性を消してでも自社の味を組み立てるという考え方など、僕にとっては「ワインの見方ってこんなふうに変わるのか」という発見でした。さらに、テーブルワインが広まるには“つくり手”だけでなく“飲み手”の準備も必要だった、という指摘も日常の判断に置き換えやすいです。 ワインの本というより、文化がどう転換していくかを一歩引いて見せてくれる読み物に近いので、ラベルの読み方より「背景の構造」を知りたい人に向いています。ものごとの“主語がいつの間にか入れ替わっている”瞬間に敏感になりたい人には、とても刺さると思います。
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