
最後の資本主義
ロバート・B・ライシュ, 雨宮 寛, and 今井 章子
東洋経済新報社 / 2016-12-02
この本について
最近、「市場ってほんとうに公平なのか」とか、「結局どこで誰が得しているのか見えないまま働いてる気がする」とぼんやり考えることが増えました。ニュースで“自由市場”とか“政府の介入”といった言葉を聞くたびに、何となくわかった気になって流してしまう。でも、あのモヤモヤって放っておくと、自分の選択肢がどこで奪われているのかすら気づけなくなるんですよね。 『最後の資本主義』は、その見えない部分に手を突っ込んで、「そもそもルールは誰が決めていて、誰が一番得しているのか」という角度から教えてくれる本でした。特に、自由市場が“自然に存在するもの”ではなく、所有権や契約の条件、破産の扱いなど、細かい政治判断の積み重ねで作られているという話は、日常の景色がひっくり返る感覚がありました。倒産法がどの企業の意向で作られているか、といった地味だけど決定的なポイントまで示されると、「何が問題なのか」をやっと自分の言葉で考えられるようになります。 医薬品の値段や知的財産の扱いなど、身近にあるのに仕組みが見えづらい領域も、この本では“どう市場が形づくられているか”という視点でつながっていきます。特別な思想に誘導する本ではなく、知らずに飲み込んでいた前提を一度ほぐしてくれる本なので、議論の土台を持ちたい人の助けになると思います。 「社会の仕組みを理解したいけど、派手な主張にはついていけない」という人に刺さる一冊です。
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