
そして、メディアは日本を戦争に導いた
半藤 一利 and 保阪 正康
東洋経済新報社 / 2013-10-24
この本について
最近、「なんとなく社会の空気がざわついている気がするけど、ちゃんと言葉にできない」という相談をよく聞きます。ニュースを追っていても、どこまでが事実で、どこからが空気に流された反応なのか、自分でも判断が難しくなる瞬間があります。僕自身も同じで、「これって昔の日本でもあったことなんじゃないか」と気になって読み直したのが、この本でした。 昭和初期の話というと遠い歴史のように思えますが、読んでいて驚くのは、当時の「国全体の雰囲気」が現代のモヤモヤと妙に重なるところです。貧しくないのに貧しさの気配だけが増幅していく感じや、一斉に走り出す空気に誰も疑問を言い出せなくなること。こういう具体的な場面が積み重なっていくことで、社会がどんなふうに傾いていったのかが、ゆっくりと実感として見えてきます。 もう一つ、この本が効くのは「どこからが危ないのか」を判断する基準を手に入れられることです。表現をぼんやりと縛る法律が出てきたら警戒すべきとか、抽象論に流れやすい日本人の癖を自覚するとか、現代にも応用できる視点がそのまま出てくる。歴史を知るというより、今のニュースを見るためのピント調整をしてくれる感覚に近いです。 いまの空気にどこか引っかかりを感じている人、でも「何が問題なのか」がまだ言語化しきれていない人には、特に届くと思います。僕にとっては、時代の変化に流されすぎないための、ひとつの“足場”になりました。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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