
狂気とバブル
Pan Rolling Inc / 2004-06-01
この本について
ときどき、自分でも理由がよく分からないまま周りの空気に流されてしまうことがあります。職場の判断でも、ネットの盛り上がりでも、「本当に自分で考えているのか…?」と後から不安になるあの感じです。頭では冷静でいたいと思っているのに、集団のテンションにのみこまれる瞬間って、どうしても避けられないですよね。 『狂気とバブル』は、そんなモヤモヤに歴史の側から光を当ててくれます。魔女狩りや十字軍、さらにはバブル経済のような、集団が熱狂して暴走した極端な事例ばかりが並んでいますが、読んでいて驚くのは「自分の生活とそんなに遠くない」ということでした。たとえば、誰かが異端扱いされていく空気の作られ方とか、「笑われたくない」という恐怖だけで判断がねじ曲がる人間の弱さとか、思い当たる場面が多すぎるんです。 そして本が効いてくるのは、歴史を使って今の自分の態度を点検できるところです。実際の痛みを知らないから、過ちは繰り返される。知識が足りないと、曖昧な不安に振り回される。そういう人間の構造が淡々と描かれていて、読んでいると「自分だったらどう動くだろう」と自然に考えさせられます。過度に怖がらせるタイプの本ではなく、むしろ、日常の判断を少し落ち着いて見直すための距離感をくれる本でした。 空気に流されやすいと感じている人、あるいは「自分は大丈夫」と思いながらもどこかで不安を抱えている人に、静かに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの47%が集中しています。
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