
満洲暴走 隠された構造 大豆・満鉄・総力戦 (角川新書)
安冨 歩
KADOKAWA / 2015-06-17
この本について
仕事でも日常でも、「気づけば集団の流れに巻き込まれているな…」と感じることが増えました。場の空気に逆らえなかったり、言葉だけが先走って実態が見えなくなったり。自分の意思で動いているつもりでも、どこか操縦されているような感覚が残るんですよね。 『満洲暴走 隠された構造』は、歴史の話を通しながら、この“流されてしまう心の仕組み”をかなり具体的に見せてくれます。満洲国の成立や関東軍の動きといった大きな話に見えて、実は「役割を守るために判断が単純化していく」「言葉が歪んだ瞬間に欺瞞が始まる」「原則より既成事実が優先される」といった、人間が集団で暴走するときの小さなスイッチを丁寧に追っていくんです。読者が保存していた「暴走するとロボットのようになる」という一節は、その怖さを端的に表していて、他人事ではない感じがします。 さらに意外だったのは、非暴力抵抗や仁の話が歴史の文脈に自然と組み込まれているところで、「自分の魂が教えることにしがみつく」という姿勢が、暴走から抜け出すためのごく現実的な行動として描かれる点でした。満洲の過去を知ることが、いまの職場や社会でどう踏みとどまるかを考えるヒントになるのは不思議ですが、読んでみると腑に落ちます。 流れの強い場所にいると、自分の判断がどこから来ているのか分からなくなることがあります。そんな状況で立ち止まるための“視点の補助線”を求めている人に刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの37%が集中しています。
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