
経済物理学(エコノフィジックス)の発見 (光文社新書)
高安 秀樹
この本について
経済の話って、学校で習った「需要と供給で価格は安定します」が頭にこびりついていて、なんとなく“そういうもの”と思いがちですよね。でも実際のニュースや相場を見ると、その説明では割り切れない揺れ方をしていて、どこかモヤモヤが残ることが多いと思います。僕自身、為替や株価の動きを前に「結局これは何に従って動いてるんだ…?」と立ち止まることがよくあります。 この本は、そのモヤモヤに対して「そもそも市場って本当に均衡なんてするの?」という視点から問い直してくれます。例えば、需要と供給の均衡が理論としては定番なのに、200年探しても実例が見つからないという話は、経済の“当たり前”をいったん白紙に戻すきっかけになります。また、相場の変動が単なるランダムではなく、カオスとしての秩序を含んでいるという視点は、毎日の価格変動を違う目で見るようになるはずです。さらに、為替市場のほとんどが実需ではなく投機で動いているという現実や、ティックデータのような超高頻度の変動が、普段のニュースでは拾えない市場の“生身”の動きを見せてくれるところも刺激的でした。 読むと、相場を「読もう」とするよりも、「どういう構造で動いているのか」を考える方向に意識が切り替わります。値動きに振り回されるより、距離を置きながら観察するスイッチが入る感覚に近いです。日々の仕事で市場を扱う人はもちろんですが、「経済の仕組みを根っこから見直してみたい人」に静かに刺さる一冊だと思います。
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