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誘拐 (ちくま文庫)

誘拐 (ちくま文庫)

本田靖春

東京創元社 / 2000-07-21

累計読者数3
平均ハイライト数 14件/人
推定読了時間 約5時間48分
star総合評価 37/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 10%

この本について

仕事でも生活でも、いま目の前の人や土地の空気が「なぜこうなっているのか」がつかめず、説明できないままモヤモヤを抱えることがよくあります。相手の言葉の奥にある背景や、時代の流れがどう人を動かしているかが分からないと、自分の判断にも自信が持てなくなるんですよね。 『誘拐』を読んでいて感じるのは、事件そのものよりも、そこに関わる人たちの生活の匂いや、時代の地層が静かに立ち上がってくるところです。夜泣きそばの売子、疎開で流れてきた家族、草履を編ぐ父親、出稼ぎ農民がオリンピック工事を支えていた事実――抜粋にも残されている細部が、人の行動を決めていく“背景”を、説明抜きで実感させてくれます。犯人の借金を払って歩く姿にしても、一つの行動の裏にどれだけの積み重ねがあるかが、淡々とした筆致のまま立ち上がってきます。 自分が誰かを理解できないときや、社会の変化に置いていかれるような感覚があるとき、この本は「一人の人生は、その時代の色で染まる」という当たり前のようで見落としがちな視点を戻してくれます。事件ノンフィクションを読みながら、なぜか自分の周囲を見る目が少し柔らかくなる一冊です。人の行動の“理由”を急いで決めつけたくない人に、特に刺さると思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

【日本推理作家協会賞受賞】刑務所の雑居房で知り合った戸並健次、秋葉正義、三宅平太の3人は、出所するや営利誘拐の下調べにかかる。狙うは紀州随一の大富豪、柳川家の当主とし子刀自。身代金も桁違い、破格ずくめの斬新な展開が無上の爽快感を呼ぶ、捧腹絶倒の大誘拐劇。天藤真がストーリーテラーの本領を十全に発揮し、映画化もされた第32回日本推理作家協会賞受賞作。「週刊文春」ミステリーベスト10/20世紀国内部門第1位。
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