
メノン~徳(アレテー)について~ (光文社古典新訳文庫)
プラトン and 渡辺 邦夫
光文社 / 2012-02
累計読者数25
平均ハイライト数 23.6件/人
推定読了時間 約5時間43分
star総合評価 63/100
start序盤集中型
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この本について
仕事でも学びでも、ちょっと難しいテーマに向き合おうとしたとき、急に手が止まる瞬間がありませんか。自分には最初から分かるはずがない、とか、どうせ本質には届かないんじゃないか、とか。あの探究の前で足がすくむ感じに、ソクラテスとメノンのやり取りは妙に寄り添ってきます。 『メノン』が面白いのは、「知らないことに向き合うとき、人はどんな心理になるのか」「そこで何が“続ける力”を支えるのか」を、対話そのものの動きとして描いているところです。ソクラテスが若い人のフラストレーションをどう扱うか、なぜ“答えを与えずに批判する”だけでは終わらせないのか、そういう細部がすごく実用的なんですよね。問い方を変えるだけで関係が変わり、考える意欲が戻ってくる感覚は、日常の会議や後輩との話にもそのまま持ち込めます。 もうひとつ刺さるのは、「正しい考え」と「知識」の距離の話です。一度は思いつけるのに、すぐ逃げてしまう考え。原因にさかのぼって“縛りつける”ことで安定するという感覚は、仕事で理解が曖昧なまま進めてしまって後から崩れるときの、あのもどかしさそのものに見えます。 難しそうに見えますが、読んでいると「探究が止まる瞬間の扱い方」を学ぶ本だなと思います。自分の伸び悩みを、ただの性格や根性の問題として片づけたくない人には、とても相性がいい一冊です。
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出版社による紹介
「徳は教えられるものでしょうか?」メノンの問いに対し、ソクラテスは「徳とは何か?」と切り返す。そして「徳」を定義する試みから知識と信念、学問の方法、魂、善をめぐって議論は進んでいく。西洋哲学の豊かな内容をかたちづくる重要な問いがここで生まれた、初期対話篇の傑作。
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