
この本について
人に合わせてばかりで、自分の意見を言う前に引っ込めてしまうことがあると思います。言えば面倒になるかもとか、どうせ伝わらないだろうとか、そんな予感が先にくる。私も同じで、気づくと流されていたりします。でも後になって、あのとき少しでも口を開いていたら違ったかもしれない…と静かに後悔するんですよね。 『推定少女』の抜粋が繰り返し保存されていたのは、「主張しないと何も変わらない」という、当たり前すぎて忘れてしまう一歩の重さに刺さったからだと思います。この物語に出てくる少女たちは、決して強いわけでも、何か大層な理想を掲げているわけでもありません。ただ、自分の世界を自分の手でつかみたくて、小さくても声を出して動く。その等身大の姿が、読む側にじわっと効いてきます。 読んでいて感じたのは、主張するって大声を上げることではなく、まず自分の感情や欲を正直に認めるところから始まる、という視点の変化でした。物語の中で彼女たちが選ぶ行動は、立派ではないし危うさもあるけれど、その不器用さごと肯定してくれるような空気があります。自分の輪郭を取り戻したいときに、そっと背中を押される感じです。 自分を押し殺す癖がついている人や、気づいたら周りの温度に合わせてしまう人に特に刺さると思います。大きな答えが書いてあるわけじゃないのに、読み終わると自分の中にひとつ、小さな選択肢が増えている。そんな本です。
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