
群れは意識をもつ (PHPサイエンス・ワールド新書)
郡司ペギオ-幸夫
PHP研究所 / 2014-05-02
この本について
最近、チームでも個人でも「全体がどう動いているのか分からない」「自分の判断が全体にどう影響しているのか見えない」といったモヤモヤをよく聞きます。僕自身、プロジェクトに関わる人数が増えるほど、意思決定のテンポや視界がズレていく感覚に悩んでいました。 『群れは意識をもつ』を読んで感じたのは、こうしたズレは単なるコミュニケーション不足ではなく、「非同期で動く個がどう全体をつくるのか」という構造そのものの問題なんだ、という視点です。アリがバラバラに動いているように見えて、実は先に動いた個体の痕跡を別の個体が拾うことで、結果的に広い範囲を探索し、文字を“読む”ような行動にまで至る。そこには、明確な司令塔ではなく、ゆるい時間差や不均一さがつくる“原生的な社会性”が働いている。人間のチームでも、誰かの動きが他の人の判断に間接的に効いて、徐々に全体像が浮かび上がってくる瞬間がありますよね。 また、群れが環境に応じて近傍を伸縮させるように、私たちも「どこまでを想定内とみなすか」を固定せず、曖昧さを許容した方がうまく適応できる場面がある。変化が苦しいのは、境界をカチッと決めすぎてしまうからで、幅をもった領域として扱うと、意外と回ることもある。このあたりは、仕事の進め方や役割の揺れに悩んでいる人にはかなり刺さるはずです。 専門書ではあるものの、「全体を俯瞰できないまま働いている感覚がある人」には、視点の切り替えにちょうどいい本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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