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春風夏雨 (角川ソフィア文庫)

春風夏雨 (角川ソフィア文庫)

岡 潔

累計読者数9
平均ハイライト数 8.1件/人
star総合評価 43/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 23%

この本について

最近、ニュースを見たり職場の空気に触れたりするだけで、「なんでこんなに心がざわつくんだろう」と思うことが増えました。やさしくしたいのに余裕がなくて自己嫌悪したり、逆に人に合わせすぎて自分が空っぽになったり。どちらに寄ってもしんどいし、正解が見えないまま毎日をこなしている感じが続きます。 岡潔の『春風夏雨』は、そういう“うまく言葉にできない揺れ”に静かに手を伸ばしてくる本でした。戦後の混乱を前に自分の生きる場所を見失った著者が、情緒や道義について考え続けた記録なので、派手さはありません。でも、情緒を「固有のメロディー」と捉える視点や、他人を先にするという行為が人の内部をどう整えるのかという話は、自分の心の動きをそのまま映されたようで、読んでいて背筋が伸びるというより、呼吸が深くなる感じに近いです。 特に印象的なのは、良い情緒を保つには“きれいな水”を注ぎ続ける必要がある、というところ。急に立派にならなくてもよくて、文化や物語に触れたり、誰かの小さな善意に気づいたりといった日々の積み重ねが、自分の内側をゆっくり育ててくれる。こういう現実的な視点は、焦りがちなときの支えになります。 今の社会の速さに置いていかれそうで、「自分の芯ってどこにあるんだろう」と感じている人に刺さると思います。

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