
他人の思考の9割は変えられる (マイナビ新書)
與良 昌浩
マイナビ出版 / 2014-05-23
この本について
部下や同僚に何かを伝えても、うまく届かないまま終わってしまうことが続くと、「もう人は変わらないんじゃないか」と思いたくなるときがあります。相手のやる気も見えないし、自分も焦るしで、正直しんどいですよね。僕も同じで、思い通りにならない状況に疲れてしまうことが何度もありました。 この本が面白いのは、「相手を変える」ことではなく、「相手が自分で動きたくなる環境づくり」に徹底して踏み込んでくれるところです。ただアドバイスしても意味がない理由とか、まずは相手の受信アンテナを立たせる必要があるとか、現場で起きがちな“思考停止”の状態をどうほどくかがかなり具体的に書かれています。僕は特に「考えざるを得ない環境をつくる」という視点が刺さりました。決意や説得で変えようとする前に、時間の使い方や場の設計そのものを見直すほうが早い、というのは実務の感覚にもすっと落ちます。 また、この本は心理学的な説明も使われていますが、難しい話をしたいわけではありません。相手の葛藤や迷いをどう扱うかを、現実のコミュニケーションの流れとして描いてくれるので、読んだその日から試せる部分が多いです。言葉に詰まる相手には「出てくる言葉で話してみて」と促すなど、小さな工夫が関係性を変えていく感覚もよくわかります。 誰かを導く立場にいるけれど、押し付けるのは嫌だし、かといって放っておくのも違う…そんな板挟みを抱えている人にとって、かなり現実的なヒントになる本だと思います。
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