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月と六ペンス (光文社古典新訳文庫)

月と六ペンス (光文社古典新訳文庫)

モーム、土屋 政雄

グーテンベルク21 / 1956-01-01

累計読者数9
平均ハイライト数 38.3件/人
推定読了時間 約5時間46分
star総合評価 74/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 43%

この本について

仕事でも人間関係でも、「みんな同じ方向を向いて生きていること」にむずむずしたり、自分の感じていることが言葉にしづらくて濁っていくような感覚ってありませんか。周囲の基準に合わせているうちに、自分が本当に何を見て、何を大事にしたいのかがわからなくなるあの感じです。 『月と六ペンス』の抜粋を眺めていると、読者の多くは“凡庸さに埋もれる不安”や“感性が鈍っていく怖さ”に反応しているように思います。ストリックランドの極端さに驚きつつも、どこかで「社会の細胞の一つとしてだけ存在してしまう怖さ」を代わりに体現してくれている。だからこそ、この本は自分の奥底にある違和感を照らしてくれるところがあります。言葉を使いすぎて本質を見失う、周囲に同調しているうちに自分の欲求の輪郭が曖昧になる、そんな日常の小さな濁りに気づかされる瞬間が多いんです。 この物語が教えてくれるのは、芸術家の破天荒さを称えることではなく、むしろ「自分が何に反応し、何に鈍くなっているか」を静かに見つめる視点です。良心や規範に縛られながらも、どこか別の場所を欲してしまう人間の複雑さが、こちらの胸の奥のざらつきと噛み合ってくる。そんな読書体験でした。 自分の中に“別の生き方”の気配をうっすら感じている人に、特にしみる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

ストリックランドは妻も子供もあり、ロンドンでなに不自由ない暮らしを送る株式取引所員。その男がある日、なんの前触れもなく、なんの書き置きもなく突如として失踪する。パリに出て絵を描くために! ゴーギャンの絵と生涯に魅せられたモームが長い熟成期間ののちに発表した傑作。
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