
森は海の恋人
畠山重篤
文藝春秋 / 2006-09-10
累計読者数3
平均ハイライト数 5.3件/人
推定読了時間 約2時間26分
star総合評価 53/100
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この本について
仕事でも生活でも、目の前のことに気を取られて、全体のつながりを見失う瞬間ってけっこうあります。効率を上げても空回りしている感じがしたり、自分の行動がどこにつながっているのか分からなくなったり。僕もよくそうなるタイプで、そんな時にこの本を読むと、視野がひとつ広がる感覚があります。 『森は海の恋人』が面白いのは、「海を豊かにするのは海の努力だけじゃない」という当たり前のようで見落としがちな事実を、具体的な現場で示してくれるところです。抜粋にもありますが、牡蠣が育つ背景には、山の腐葉土から流れ出す鉄分やミネラルがあって、川を通って海に届いている。川が一本欠けるだけで生産が九割落ちる、という話はなかなか現実的な衝撃があります。目に見えないつながりが、実際の生き物の数や味にまで直結しているわけで、それを知るだけで「部分だけを見て判断する怖さ」が腑に落ちるんですよね。 もうひとつ強く残るのは、漁民が植林に乗り出し、農家や市民まで巻き込んで流域全体で環境を考え始めたところです。大きな理念というより、「自分たちの暮らしを守るには、実は離れた場所も同じ線上にある」という気づきから動き始めた感じがあって、背伸びしていないのに力強い。自分の仕事や生活のつながりも、こうやって見直せるんじゃないか、と素直に思えます。 目の前の問題だけ追いかけて疲れがちな人に静かに刺さる本です。
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出版社による紹介
森は漁民の命。森と海の真のつながりを知る感動の書。 宮城県気仙沼で長年にわたり牡蠣養殖業を営んできた畠山さんは、エッセイストとして、そしてNPO法人「森は海の恋人」の活動でも知られています。2012年には国連森林フォーラムの「フォレストヒーローズ」にも選出されました。 豊かな汽水域の恵みは、森があってこそ生まれる。ダム開発と森林破壊で沿岸の海の荒廃が急速に進んだ1980年代、おいしい牡蠣を育てるため、気仙沼湾に注ぐ大川の上流に木を植え始めた——それが畠山さんの活動の出発点でした。漁師だからこそ見出し得た、森と海の真のつながりとは? 「森は海の恋人」運動の火付け役となったみずみずしい一作がついに電子書籍化。森に、水に、海の恵みに関心のある人すべての必読書です。
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