
楽天流
三木谷浩史
講談社 / 2014-10-07
この本について
仕事で「もっと速く動きたいのに、組織の空気や自分の思考がブレーキを踏んでいる気がする」と感じること、けっこうありますよね。情報が世界中から入ってくるのに、自分は相変わらず日本的な前提の中で判断してしまう……そんなズレに気づくほど、動きづらさが増すというか。 『楽天流』を読んでいて刺さったのは、そうした“見えない前提”をいったん外してみるための具体的な工夫が、とても地に足がついていたことです。たとえば英語化の話も、単なる語学の問題ではなく、上下関係を前提にした思考をほぐすための仕組みとして語られている。あるいは、世界のニュースを自分のフィードに取り込み直すという話も、抽象的なグローバル思考ではなく、生活レベルの情報習慣の見直しとして書かれている。読んでいると「環境を変えると、思考のスピードや深さも変わるんだな」と実感として腑に落ちます。 もう一つ印象に残ったのは、エンパワーメントの話が“気合いではなく仕組み”として語られているところです。裁量の与え方、失敗しても再挑戦できる構造、情報が上から降ってくるのではなく自分でつかみにいく姿勢。どれも一足飛びにマインドセットを変えるのではなく、日常の動きを少しずつ変えることで結果的に視野が広がる、そんな現実的な道筋でした。 自分の世界が閉じてきた感覚がある人、もっと軽やかに挑戦できる状態を作りたい人には、静かに効いてくる本だと思います。
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