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「育休世代」のジレンマ~女性活用はなぜ失敗するのか?~ (光文社新書)

「育休世代」のジレンマ~女性活用はなぜ失敗するのか?~ (光文社新書)

中野 円佳

累計読者数8
平均ハイライト数 6.4件/人
推定読了時間 約6時間59分
star総合評価 52/100
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この本について

仕事は続けたい気持ちもあるのに、結婚や出産が近づくと急に「正解の道」が見えなくなる瞬間ってありますよね。周りを見ると、辞めていく人もいれば、続けているのにどこか意欲が低いと決めつけられてしまう人もいる。自分はどちら側なんだろう、と立ち止まってしまう感じ、わりと多くの人が抱えていると思います。 この本が面白いのは、「なぜ辞めるのか」「なぜ意欲が低いとみなされるのか」を個人の気合いや覚悟ではなく、もっと手前の社会構造や教育・就職活動の段階から追っているところです。例えば、学生の頃は男女平等で育ったのに、就活になると“働きやすさを言うと不利になる気がして言えない”という空気が自然と身についてしまうこと。出産後に意欲が下がったことにされてしまうけれど、実際には「意欲を引き下げないと生き延びられない環境」があること。こういう見えにくい力学が丁寧に描かれていて、読んでいると「自分が弱いわけじゃなかったんだな」と少し呼吸がしやすくなります。 特に、働き続けている女性の夫の年収がむしろ高いというデータは、よく語られる“夫の収入が十分だから妻が辞める”という単純な説明を覆します。続ける・辞めるの分岐点はもっと複雑で、意欲をどう維持してきたか、どんな環境を自分で確保できたかなど、個人の戦略と社会の期待が入り混じっている。そのリアルさが、この本の価値だと思います。 結婚や出産を前に「自分だけが迷っているわけじゃないはず」と感じている人に、とても静かに効く一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

昔に比べれば、産休・育休や育児支援の制度が整ったかに見える今、それでも総合職に就職した女性の多くが、出産もしくは育休後の復帰を経て、会社を辞めている。男性と肩を並べて受験や就職活動にも勝ち抜き、出産後の就業継続の意欲もあった女性たちでさえ、そのような選択に至るのはなぜなのか、また会社に残ったとしても、意欲が低下したように捉えられてしまうのはなぜなのか。この本では、実質的に制度が整った二〇〇〇年代に総合職として入社し、その後出産をした一五人の女性(=「育休世代」と呼ぶ)に綿密なインタビューを実施。それぞれの環境やライフヒストリーの分析と、選択結果との関連を見ていく中で、予測外の展開にさまざまな思いを抱えて悩む女性たちの姿と、その至らしめた社会の構造を明らかにする。
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