
仕事と家族 日本はなぜ働きづらく、産みにくいのか (中公新書)
筒井淳也
中央公論新社 / 2015-05-25
この本について
働き方とか家族のことって、自分の人生にもろに関わるのに、制度や慣習が複雑すぎて「なんでこんなにやりづらいんだろう…」と立ち止まることがよくあります。女性が働くと少子化が進むのか、結婚しづらいのは価値観の問題なのか、ケア産業は本当に“成長産業”なのか…。表面的な議論だけを追っているとますます迷子になるんですよね。 『仕事と家族』は、そういう“なんとなくの違和感”をひとつずつ解きほぐしてくれる本でした。たとえば、医療費が増えている理由が「高齢化」より「技術の発展」にあるという話や、台湾の家事分担が日本よりも平等な背景に、女性の就労環境があるという指摘。これらを知るだけでも、今の日本の働きづらさが、個人の努力とか価値観だけで説明できるものじゃないと腑に落ちます。また、日本の少子化の大きな原因が“価値観の変化”ではなく“未婚化”だと示されると、問題の輪郭がかなりクリアになります。 読んでいて一番救われたのは、「他国の制度を真似すればいい」という単純な話ではなく、日本特有の働き方や男女の役割分担がどう構造的に作用しているのかを冷静に整理してくれるところでした。働き方を少しでも変えないと、そもそも家族の形も選べない。その現実を突きつけられる一方で、「じゃあ何が必要か」を落ち着いて考えられる土台をくれます。 制度とか社会の話に振り回されがちな人、あるいは自分のキャリアや家族観にずっとモヤモヤしてきた人に特に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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