
エミール 上 (岩波文庫)
ルソー and 今野 一雄
この本について
子どもの関わり方について、正解がわからないまま手探りでやっていると、どうしても「もっとちゃんとしないと…」と力が入りすぎてしまうことがあります。守りたい気持ちが強いほど、こちらの不安が先に立ってしまう。そんな経験があるなら、『エミール』の言葉は思った以上に刺さるかもしれません。 この本は実用的な育児書ではなく、教育の“前提”を問い直す本です。読んでいていちばん揺さぶられるのは、子どもを「弱い存在」として守り続けるのではなく、「自分の力で生きられるようにする」という視点に徹しているところ。たとえば、体験を奪いすぎることがかえって子どもを弱くする、という指摘は、日々の過保護になりがちな場面をふと思い返させます。また、子どもが自然に持つ欲求と、大人の都合で後から植えつけてしまう欲望を区別するという姿勢も、急がず見守ることの意味を静かに教えてくれます。 そして印象的なのは、「生きることを学ばせる」という考え方です。危険から遠ざけるより、不規則さや不快さにも少しずつ耐えられる体と心を育てる。これは現代でも応用できて、日常の小さな選択に置き換えると意外と腑に落ちます。子どもの自由と環境の整え方のバランスに迷っている人ほど、この本の言葉がじわっと効くはずです。 過度に理想を掲げるのではなく、子どもの「今」の力を信じたいときに読める一冊です。こんな人に刺さります。守りすぎと放っておくの境界線でいつも立ち止まってしまう人。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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