
ギャンブル依存国家・日本~パチンコからはじまる精神疾患~ (光文社新書)
帚木 蓬生
光文社 / 2014-12-15
この本について
ギャンブルって、自分には無縁と思いながらも、どこかモヤモヤすることがあります。身近すぎるし、国が堂々と関わっているのに、その規模や構造についてはほとんど知らないまま。それでいて、誰かがハマって苦しんでいく話はよく耳に入ってくる。この距離感の曖昧さに、どこか落ち着かない感覚がありました。 この本は、そのモヤモヤを「感覚」ではなく「現実」として見せてきます。まず驚いたのは、数字のスケールです。公営ギャンブルとパチンコで合わせて25兆円という事実に触れると、たとえ自分が賭け事をしなくても、この国の空気そのものにギャンブルが染み込んでいるんだと実感します。さらに、依存が起きる仕組みを脳内の変化や思考のクセまで解説してくれるので、「なぜ抜けられないのか」が責めるでも擁護するでもなく、淡々と腑に落ちていきます。そして一番刺さったのは、国家や自治体の側がむしろ“やめられない構造”を抱えているという視点で、読者としても「個人の問題だけじゃなかったのか」と考え直さざるをえませんでした。 個人的には、身近な誰かが賭け事に苦しんでいる時に、感情論ではない理解の仕方を持てる点がありがたかったです。依存というより「嗜癖」という言葉が選ばれた背景や、海外でどんな規制があるのかを知ることで、見える景色が変わります。 ギャンブルをしない人ほど読んでおくと腑に落ちるところが多い本です。社会の裏側の構造が気になる人に、静かに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
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