
世界最強の交渉術
ローレンス・サスキンド and 有賀 裕子
この本について
交渉って、こちらがどれだけ準備しても「そもそも話を聞く気がない相手」にぶつかった瞬間、全部ふっとぶ感じがありますよね。事実を示しても動かない。譲れば譲るほど自分だけが削れていく。仕事でも日常でも、この手の“かみ合わない時間”に疲れてしまうことがよくあります。 この本が効くのは、相手を言い負かすためではなく、「どう動けば自分の望む着地に近づけるのか」を現実的に整えてくれるところでした。たとえば、双方で事実を調べ直すという当たり前のようで忘れがちな姿勢や、立場ではなく利害を見るという視点は、感情的な押し合いから距離を置かせてくれます。また、価値を分け合う前にまず“増やす”という考え方は、相手を敵にしがちな場面ほど効き目がありました。強い相手に対しても、事業戦略を変えて自分のBATNAを引き上げるなど、交渉の前段階でできることが意外と多いのも救われるポイントです。 読みながら感じたのは、「勝つか負けるか」ではなく、「どうすれば自分を消耗させずに済むか」という問いに丁寧に答えてくれる本だということでした。相手の成功条件を見極めて、それを自分の負担にならない形で支える。できもしない約束はしない。必要なら第三者を巻き込む。こうした現実的なやり方は、対人関係で疲れがちな自分にも無理なく取り入れられました。 相手が強気だったり理屈が通じなかったりして、いつも交渉が消耗戦になる人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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