
論理的思考と交渉のスキル (光文社新書)
高杉 尚孝
この本について
仕事でも日常でも、話がこじれたり、こちらの意図が伝わらなかったりすると、「もっとうまくやれたはずなのに」と後からじわっと落ち込みます。強く出ればいいわけじゃないし、下手に出れば丸め込まれる気もする。そのあいだで揺れ続ける感覚、けっこうしんどいですよね。 この本が助けてくれたのは、「交渉=勝ち負け」みたいな思い込みを一回外してくれるところでした。例えば、交渉が決裂したときの次善策であるバトナを持っておくと、不思議と平常心が戻ります。無理に押し切らなくていいと思えるだけで、会話の質が変わりました。さらに、相手の満足度に働きかけるという視点も大きかったです。相手が何を大事にしているのかを丁寧に探ると、こちらの話にも耳を傾けてもらいやすくなる。単なるテクニックではなく、「お互いが決定権を持っている」という前提に立ち直す感覚に近いです。 もう一つ刺さったのは、論理的に話すためのごく基本的な部分を曖昧にしないという姿勢です。主語と述語をはっきりさせるとか、曖昧な接続詞を避けるとか、本当に地味なことばかり。でも、結局ここが乱れていると、どれだけ誠実に向き合っても誤解が生まれるんだよなと実感しました。相手の立場に立って、論拠が本当に主張を支えているかを考え直す作業は、自分の思考のクセを見つけるきっかけにもなります。 「強く出るのも違うし、下手に出るのも違う」と感じている人には、かなりしっくりくるはずです。交渉の本というより、人と話す前に一度肩の力を抜かせてくれる実用書として読みました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
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