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狭き門 (光文社古典新訳文庫)

狭き門 (光文社古典新訳文庫)

ジッド、中条 省平、中条 志穂

新潮社 / 1954-08-03

累計読者数4
平均ハイライト数 59.5件/人
推定読了時間 約2時間37分
star総合評価 68/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 26%

この本について

人間関係で、気持ちが噛み合わないまま時間だけが積み重なっていく感じってありますよね。好きだからこそ距離が生まれたり、近づけば近づくほど何かが壊れてしまいそうで身動きが取れなくなったり。正しさや誠実さを選んだつもりが、相手の心を置いてけぼりにしていたんじゃないか……と後から気づくような、あのどうしようもない感触です。 『狭き門』を読んでいて、保存された抜粋の多くがまさにその「ズレ」に刺さっているように見えました。笑うことすら罪だと感じてしまう自己嫌悪や、自分の感情を語りながら実は相手の気持ちに触れていなかったと気づく瞬間。遠くにいるときのほうが相手を愛せてしまう不思議さ。こういう感情って、いまの私たちの生活でも普通に起こりますよね。だからこそ、この物語の宗教的な背景や時代設定よりも、ふたりの気持ちがすれ違っていく温度差がそのまま胸に刺さるのだと思います。 この本が効いてくるのは、恋愛や人間関係の「答え」ではなくて、自分がどんな癖を持った人間なのかをそっと照らしてくれるところです。相手を思う気持ちが強いほど、自分の内側に閉じこもってしまうタイプの人には特に響くかもしれません。読んでいて痛い場面も多いけれど、その痛さの中に「ああ、自分もこういうところがあるな」と思える余白がある。そんな読書体験になる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

早く父を失ったジェロームは少年時代から夏を叔父のもとで過すが、そこで従姉のアリサを知り密かな愛を覚える。しかし、母親の不倫等の不幸な環境のために天上の愛を求めて生きるアリサは、ジェロームへの思慕を断ち切れず彼を愛しながらも、地上的な愛を拒み人知れず死んでゆく。残された日記には、彼を思う気持ちと“狭き門”を通って神へ進む戦いとの苦悩が記されていた……。
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